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acpjcsc2021

2023年度米国内科学会日本支部年次総会Student Committee演題開催報告









6月24日(土)に米国内科学会 (ACP)日本支部Student Committeeで「医学生による日本のジェネラリストに対する理解促進に関する調査・提言」をテーマに演題発表を行いました。セッションの座長を担当しました委員長の飯島由佳です。


私たちの発表の背景として現在の日本は、高齢化、高細分化された医療、人口減少や医療の偏在など、ジェネラリストのニーズは高まっています。一方で、日本におけるジェネラリストの需要と供給にはギャップがあることが課題とされています。


そこで、私たち学生委員のメンバーは、ジェネラリストの重要性、活躍、魅力などの理解を促進するため、学生委員会メンバーが 3 チームに分かれ、英語で調査・提言の15分間のプレゼンテーションを行いました。


プレゼンテーションは、イギリス、アメリカ、日本でのジェネラリストとしての豊富な診療経験をお持ちの審査員の2名の先生方によりジャッジされ、最優秀プレゼンが決定されました。NTT東日本関東病院より、佐々江龍一郎先生とクイーンズメディカルセンターホスピタリスト部門より、野木真将先生がご講評とミニレクチャーをしてくださいました。先生方の持ち点はお一人50点×2名で、計100点満点での評価となります。採点項目は、英語の流暢さ、プレゼンテーションの構成、デザイン、内容などです。


チーム1の発表

タイトル:“Delving Inside the Mind of a Generalist ~Dissecting the charm through PBL~”

スピーカー:Ayaka Takano, Hironobu Nonaka

チーム1では、低学年と高学年の医学生がペアとなり、PBLの事例を通して、診断にいたるまで、ジェネラリストはどのように考えていくのかについて発表し、ジェネラリストマインドの重要性と医学教育での充実化を提案しました。





チーム2の発表

タイトル:Future of “Generalist” -Hospitalist, General Physician, General Practitioner-

スピーカー:Hanako Togashi, Takumi Sato

チーム2は、異なるジェネラリストの立ち位置を説明し、日本における医学生の認知度アンケートの実施、そして、国家、病院、個人の異なるフェーズでジェネラリストの活躍や利点を紹介しました。また、最後には実際にジェネラリストとして活躍されている先生方からのインタビューメッセージの動画を発表しました。






チーム3の発表

タイトル:Kakaritsuke Doctors ~Awareness and Education campaigns towards the younger generation~

スピーカー:Ayaka Takahashi, Sora Jones

かかりつけ医の認知度の向上のため、若年層をターゲットとした認知度向上のためのチラシを作成し、効果をはかるアンケート調査を行いました。また、医学教育や実習での充実化や、ジェネラリストとしてのキャリアサポートについて提言しました。




野木先生からのご講評・ミニレクチャー



(ホスピタリストの多様で魅力的なキャリアの選択肢)

米国でホスピタリストとの立ち位置やキャリアアップのオプションなど日本と比較しながらお話いただきました。ホスピタリストとは、入院している患者の医療ケアに特化した医師であり、患者ケア、教育、研究、リーダーシップなど重要な役割を果たしています。ホスピタリストは1996年にNEJMにはじめて用語が掲載され、在院日数の減少効果などの証明され、制度として成熟していった経緯も教えて頂きました。そして、現在ホスピタリストのキャリアパスは多様で、働き方の柔軟さや幅広い活躍の場があることを知ることができました。また、日本のコンテクストでは、ホスピタリストを病棟指導の中心とするNPの育成、医学生の字学外実習の充実、専門医の遠隔コンサルタント制度など、今後どのようにホスピタリストのキャリアを制度として支援するべきかについてもヒントを教えて頂きました。


佐々江先生からのご講評・ミニレクチャー






イギリスのGPの診療範囲など、事例を通してお話いただきました。75歳の男性COPD増悪で救急にいらっしゃった方、長年連れ添った奥様が他界され、「孤独」で定期薬の服用が守れていない状況でした。特定疾患ではなく、多職種と連携し、患者にフォーカスすることが大切だとメッセージを頂きました。また、英国で進んでいる社会的処方として、患者さんの好きな歴史愛好会を紹介し、友人を通して、再就職にも繋がったとのことです。包括的に介入し、日常的な疾患・予防、仕事のストレスや家族の問題、肥満など非医療的疾患に関しても、なんでも相談に乗ります。GPは患者さんから頼られ、直接感謝される魅力が伝わりました。


結果発表

最優秀プレゼンテーションは、チーム2によるFuture of “Generalist” -Hospitalist, General Physician, General Practitioner-でした。流暢な英語の発表、緻密な分析と調査、デザインも最高評価スピーカーのHanako Togashiさん, Takumi Satoさんから、一言ずつメッセージを頂きました。チーム2の皆様、おめでとうございます!





謝辞

この度、中間発表や当日の講評など親身に多くの学びを与えてくださったご講評の野木先生、佐々江先生に感謝いたします。また、一年間、私たちStudent Committeeの活動全体を温かく見守り、支えてくださったアドバイザーの上野先生、矢野先生、小原先生、調査に協力し、多くの活動に積極的に参加してくださった医学生の皆様に御礼申し上げます。そして、学業や実習と両立しながら、多くのプロジェクトを運営してきた尊敬するStudent Committeeメンバーの皆様、本当にありがとうございました。

また、今回の英語でのプレゼンテーションにおいて、医療英語に特化しためどはぶの山田悠史先生と園田健人先生にもフィードバックの貴重な機会をいただきましたので、この場をかりて御礼申し上げます。


コンタクトインフォメーション

米国内科学会(ACP)日本支部Student Committeeに興味を持っていただけましたら、公式HP、SNS(Twitter、Facebook)などから、今後の活動をフォローしていただけますと幸いです。引き続き、よろしくお願いいたします。





文責:

委員長 復旦大学上海医学院 

飯島由佳


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